著者
市川 翔 小島 隆司 片岡 嵩博 中村 友昭 玉置 明野 市川 一夫
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.93-96, 2016 (Released:2016-06-30)
参考文献数
11

目的:Implantable collamer lens(ICL)挿入術を施行した患者の術後経過を調査して,術後白内障の病型を集計した.方法:ICL挿入術後に水晶体再建術を施行した患者の白内障病型を後方視的に集計した.結果:前囊下白内障,核白内障,皮質白内障,後囊下白内障がそれぞれ16眼(72.7%),4眼(18.2%),1眼(4.6%),0眼(0%)であった.また,後囊下白内障と前囊下白内障の合併を1眼(4.6%)で認めた.ICLは全例中心貫通孔なしのモデルであった.考察:ICL挿入後に発生した白内障の病型は,前囊下白内障が多かった.発生機序としては水晶体前面における房水供給の変化による水晶体上皮細胞への栄養障害が疑われた.このことから,中心貫通孔ありのICLを使用することでICL挿入後の白内障を予防できる可能性が示唆された.

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