著者
小島 隆司 市川 一夫
出版者
日本眼光学学会
雑誌
視覚の科学 (ISSN:09168273)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.3-7, 2012 (Released:2019-11-22)
参考文献数
19

Implantable Collamer Lens(ICL)は後房型有水晶体眼内レンズで,球面矯正のみのものと乱視矯正可能なレンズの2種類が厚生労働省の認可を受けている。手術成績に関しては有効性,予測性,安全性に優れることが本邦および海外にて報告されている。手術にあたっては健常な眼に対する治療であるために,適応を十分考慮し術前の検査を入念に行って安全に施行することが必要である。適応を決める際にはとくに前房深度が十分に確保されていることに注意する必要がある。術前検査で最も注意する点は,正確な屈折を得ることとレンズサイズの決定である。手術においては,外傷性白内障,角膜内皮障害を起こさないように注意してレンズを挿入していく必要がある。手術方法そのものはシンプルであるが,内眼手術に熟練した術者が行うべき手術である。術後早期は瞳孔ブロックが起きていないか,レンズサイズが適切かを調べ,安定したら水晶体混濁の有無について長期の経過観察が必要である。
著者
小島 隆司
出版者
日本眼光学学会
雑誌
視覚の科学 (ISSN:09168273)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-6, 2016 (Released:2016-05-03)
参考文献数
10

円錐角膜の診断, 治療は近年著しく進歩している。診断面では角膜前後面を測定できる器機が開発され, より初期から診断が可能になっている。収差の解析では角膜, 眼内と分離して把握が可能になっている。これらの診断器機開発により治療面でも大きな変化が起きている。進行予防の角膜クロスリンキング治療や角膜リング, コンタクトレンズ治療, 角膜移植なども光学的な変化を考慮して論じられるようになってきている。
著者
市川 翔 小島 隆司 片岡 嵩博 中村 友昭 玉置 明野 市川 一夫
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.93-96, 2016 (Released:2016-06-30)
参考文献数
11

目的:Implantable collamer lens(ICL)挿入術を施行した患者の術後経過を調査して,術後白内障の病型を集計した.方法:ICL挿入術後に水晶体再建術を施行した患者の白内障病型を後方視的に集計した.結果:前囊下白内障,核白内障,皮質白内障,後囊下白内障がそれぞれ16眼(72.7%),4眼(18.2%),1眼(4.6%),0眼(0%)であった.また,後囊下白内障と前囊下白内障の合併を1眼(4.6%)で認めた.ICLは全例中心貫通孔なしのモデルであった.考察:ICL挿入後に発生した白内障の病型は,前囊下白内障が多かった.発生機序としては水晶体前面における房水供給の変化による水晶体上皮細胞への栄養障害が疑われた.このことから,中心貫通孔ありのICLを使用することでICL挿入後の白内障を予防できる可能性が示唆された.
著者
近藤 香里 酒井 幸弘 内藤 尚久 玉置 明野 市川 一夫 磯谷 尚輝 小島 隆司 中村 友昭 城山 敬康
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.181-190, 2010-12-29

<B>【目的】</B>回折型多焦点IOL挿入術における50歳代から80歳代までの年代別術後成績の検討。<BR><B>【対象と方法】</B>対象は平成19年1月から平成21年5月までに、両眼に回折型多焦点IOL(AMO社製ZM900 16例32眼、Alcon社製SA60D3 5例10眼)を挿入した21例42眼。年代別症例数は、50歳代10例20眼、60歳代5例10眼、70歳代3例6眼、80歳代3例6眼。遠見矯正視力、遠見矯正下近見視力の術後経過、コントラスト感度、アンケート結果を年代別に比較検討した。<BR><B>【結果】</B>50・60歳代は、術後早期より良好な視力が得られたが、70・80歳代は不安定で、80歳代では、最高視力が得られるまでに3ヶ月程度を要した。術後3ヶ月の視力・コントラスト感度は80歳代がやや劣るものの、遠見裸眼視力 0.96、遠見矯正視力 1.24、遠見矯正下近見視力0.91と良好な結果であった。70・80歳代の近用眼鏡使用率は0%であった。80歳代のハロー・グレアの訴えはなく、高い術後満足度が得られた。<BR><B>【結論】</B>70・80歳代における回折型多焦点IOLは、視力の安定には時間を要するものの、日常生活に関するアンケートでは高い満足度が得られた。症例数が少ないため、さらに症例を重ね検討する必要があるが、高齢者においても十分なインフォームド・コンセントを行った上で、回折型多焦点IOLは選択肢になりうる。