著者
松下 仁 小室 昌仁 前田 利松 南 慶典 佐川 久美子
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement2, pp.198-205, 1994-10-24 (Released:2011-08-04)
参考文献数
9

Tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) の代謝物の検索をラジオ-HPLCを用いて, また活性代謝物の検索をTLC-バイオオートグラフィーを用いて検討した。次にtazobactam (TAZ) の代謝物M-1の生成臓器について, 血漿, 臓器ホモジネートを用いたin vitro試験により検討し, 次の結果を得た。1. ラットに14C-TAZ/PIPCあるいはTAZ/14C-PIPCを静脈内投与して, 血漿, 尿および胆汁中代謝物を検索し, 定量した。TAZの代謝物として, β-ラクタム環が開裂・分解した構造を有するM-1を同定した。Piperacillin (PIPC) は主として未変化体として検出され, 主要代謝物は存在しなかった。ラットの尿中にはTAZ未変化体が約70%, TAZの代謝物M-1が約17%, PIPC未変化体が約25%排泄された。胆汁中にはTAZが約2%, M-1が約1%, PIPCが約60%排泄された。2. ラット, イヌおよびサルにTAZ/PIPC50mg/kgを投与して, 血漿および尿のバイオオートグラムを作製し, 活性代謝物を検索した。その結果, TAZ, PIPCともに, 標準品と同位置に1スポットのみ検出され, 活性代謝物は存在しなかった。3. マウスの肺, 肝, 腎, 小腸の25%ホモジネートおよび血漿中の安定性について検討した。マウスでは血漿, 腎, 小腸でM-1が生成した。

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