著者
廣木 義久
出版者
日本地学教育学会
雑誌
地学教育 (ISSN:00093831)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.97-107, 2019-02-28 (Released:2019-11-13)
参考文献数
42
被引用文献数
5

流水による砕屑物からなる地層の形成を理解する上で非常に重要なユールストロームダイアグラムを解説した.ユールストロームダイアグラムは今から約80年前の1939年に発表されたダイアグラムであるが,水中における砕屑物の堆積を理解するのに,今でも有効である.このダイアグラムは堆積や侵食が起こるときの流速と堆積物の粒径との関係を示している.地層は流速が変化する中で,異なる粒径の粒子が堆積するために形成される.それぞれの堆積環境は特有の水理学的エネルギーを持っており,その環境の中で,流速変化が特有の範囲で起こるため,特有の粒径からなる地層が形成される.すなわち,粗粒(細粒)の堆積物からなる地層は高い(低い)水理学的エネルギーを持つ堆積環境において堆積される.

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