著者
立花 良 行場 次朗
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.150, 2014 (Released:2014-10-05)

近年の視覚的注意研究では、基礎研究と応用研究に共通したメカニズムを解明するアプローチの一つとして、ミスディレクションが注目されている。ミスディレクションとは手品師が用いる技法であり、観客の注意を操作できる。日常場面で人の注意を統制する技術に応用すべく、実際に手品を利用したミスディレクションの研究が行われてきた。しかし、どのようなミスディレクションがより注意を誘導できるかいまだ不明確である。本研究では、代表的な3つの手品手法 (物体の出現・消失・変化) を実験刺激として用い、眼球運動測定によって注意がどのように誘導されるかを検討した。結果から、「物体の出現」が最も強くミスディレクションを引き起こすとわかった。一方で、眼球運動からは「物体の消失」によるミスディレクションへの注視時間が最も長いとわかった。これらの結果は、注意と眼球運動が乖離し、手品手法ごとに注意に及ぼす影響が異なることを示している。

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強いミスディレクションをかけるには? カップアンドボールを使った研究において「物体の出現」「変化」「消失」を比較した結果、「物体の出現」が最も強くミスディレクションをかけることができるとわかったそうです。 出典 https://t.co/HTNBP3i50a https://t.co/Kw7imjzFqs
手品の研究ってあるのかなって調べたら東北大学がカップ&ボールを真面目に研究してて笑った。 https://t.co/doiuk2gcWl https://t.co/Ypef36VjJA

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