著者
宮城 円 中尾 敬 宮谷 真人
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第13回大会
巻号頁・発行日
pp.142, 2015 (Released:2015-10-21)

同程度に好ましいアイテムから好ましい方を選択すると,自らが選んだものの選好は増加し,選ばなかったものの選好は減少する。この現象は“選択による選好の変化”と呼ばれ,近年自らが選択したものの選択率を上げるといった強化学習によって説明できることが示唆されている。抑うつ傾向者では,ギャンブル課題等において強化学習による価値の学習が生じにくくなることが知られているが,選択による選好の変化について抑うつ傾向との関連は明らかになっていない。本研究は選択による選好の変化と抑うつ傾向との関連についてBlind choice paradigmを用いて検討した。その結果,抑うつ傾向者ほど選ばなかったものの選好が減少しにくいことが明らかとなった。一方,選んだものの選好の変化と抑うつ傾向との関連はみられなかった。このことから,選んだものと選ばなかったものの選好の変化は異なる過程により生じている可能性が示唆された。

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