著者
中村 紘子 眞嶋 良全
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第18回大会
巻号頁・発行日
pp.40, 2021-03-15 (Released:2021-03-15)

目的論とは,「水が存在するのは,地球で生命を生き残らせるためである」というように,自然現象が何らかの目的を持って存在するという考えである。目的論的信念は成人でもみられ (Kelemen & Rosset, 2009), 自然科学者であっても認知負荷がかかると目的論的信念を正しいと判断しやすくなるなど (Kelemen et al., 2013), 対象が目的や意図を持つという目的論的信念は直観的であり, 人のデフォルトの説明機序である可能性が指摘されている。本研究では日本人参加者を対象に,目的論的信念と認知的直観性・熟慮性との関係を検討した。その結果,認知負荷のある状態では目的論的信念を正しいと判断しやすく, また,認知的熟慮性は目的論的信念と負の傾向に関係にあることが明らかとなった。日本人においても,自然現象を理解する際に, 直観的過程では目的論的信念に従った解釈をしやすい可能性が示された。

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