著者
村上 晋 堀本 泰介 河岡 義裕
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.616-626, 2009 (Released:2010-02-16)
参考文献数
65

インフルエンザウイルスのリバースジェネティクスの確立により,ウイルス蛋白質を任意に改変した変異ウイルスの作製が可能になった.そういった変異ウイルスは,現在のインフルエンザの基礎研究において欠かすことのできない有用なツールとして活用されている.また,応用面においても,現在備蓄が進んでいるH5N1プレパンデミックワクチンには本法を用いて作製された弱毒変異ウイルスが用いられている.今後,変異ウイルス作製技術は,インフルエンザの次世代ワクチンの開発にも大いに貢献することが期待される.一方,リバースジェネティクスを用いた外来性エピトープや外来性遺伝子を発現する組換えインフルエンザウイルスの構築により,効果的な免疫応答を惹起する多価ワクチンや遺伝子治療用デリバリーベクターへの応用が考えられている.現時点では,組換えウイルスの安定性,発現性,増殖性などの問題点を改善する必要性が指摘されているものの,インフルエンザウイルスベクターの持つ数多くの利点を活かすべく実用化を目指したさまざまなアプローチが展開されている.

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