著者
清水 太郎 濱本 英利 石田 竜弘
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.230-238, 2023-07-25 (Released:2023-10-25)
参考文献数
44

イオン液体は、室温で液体の塩であり、水や有機溶媒に続く第3の溶媒として注目されている。イオン液体は有機カチオンと有機・無機アニオンから構成され、その組み合わせを変えることによって無数の物性をもつ溶媒を作製することが可能である。イオン液体は薬物の溶解性や安定性や吸収性を向上させることが可能であるため、近年、イオン液体を医薬品開発に応用する研究が盛んに行われている。経皮投与は非侵襲的で利便性に優れた投与方法である一方で、親油性の低分子にしか適用し難かった。しかし、薬物をイオン液体に溶解する、または薬物自体をイオン液体化することによって、さまざまな薬物を皮膚透過できることが、近年報告されてきた。イオン液体とともに皮膚に適用した薬物は、皮膚局所だけでなく全身にも移行するため、さまざまな疾患治療への応用が期待される。本稿では、外用剤・経皮吸収製剤に用いられるイオン液体の特性および疾患治療への応用について紹介する。

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少し前のだけどメドの人のイオン液体の記事、見てなかった。いろいろ応用範囲広そう https://t.co/0yLrKr04EM

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