著者
村山 洋子 佐野村 珠奈 篠村 恭久 西林 宏之 安永 祐一 筒井 秀作
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.237-249, 2013 (Released:2013-05-21)
参考文献数
30
被引用文献数
1

胃体部の皺襞肥大は,内視鏡検査や胃X線検査時にしばしば観察される.その大多数はHelicobacter pylori(H. pylori)感染により惹起される皺襞肥大型胃炎である.その特徴は,胃体部粘膜の腺窩上皮の過形成および高度の炎症を認め,胃酸分泌の低下を伴い,皺襞肥大の程度に従って胃癌のリスクが増加し,特に胃体部に未分化型胃癌が増加することである.H. pylori除菌により,これらの所見は改善し,胃体部の皺襞肥大はほぼ正常化し白濁した粘液の付着の消失を認めることで胃癌が発見しやすくなる.皺襞肥大型胃炎は,H. pylori感染者のなかでも胃癌発症のハイリスク群と考えられる.皺襞肥大型胃炎において,H. pyloriの除菌が胃癌発生の予防につながるかどうかは,今後明らかにする必要がある.

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