著者
大井 信三 横山 芳春
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.Supplement, pp.S103-S120, 2011-09-01 (Released:2013-02-20)
参考文献数
49
被引用文献数
2 2

茨城県中・南部の常陸台地を構成する下総層群は,これまで房総半島の模式層序との対比が確立されておらず,地域内でも研究者によって様々な見解があり,異論が多かった.そこで新たに見いだされたテフラを広域に追跡することでテフラ層序を組み立てて,それを基準として堆積相解析やシーケンス層序学的解析を行った.その結果,下総層群を藪層,上泉層,清川層,横田層,木下層,常総層の6層を区分した.さらに,最終間氷期の堆積物である木下層に2つの堆積サイクルを認め,剣尺(けんじゃく)部層,行方(なめかた)部層を新たに設定した.本巡検では常陸台地における下総層群の各構成層について,案内者らの見解を紹介し,模式層序との対応を解説,議論する.さらに,テフラと堆積相の分布から推定される,木下層の堆積過程について概説する.特に堆積物供給量の違いを背景として,涸沼(ひぬま)を境界として南北で異なる堆積システムの時空変化について,常陸台地を縦断して比較を行う.

言及状況

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私の元々の専門分野の論文→「常陸台地の第四系下総層群の層序と堆積システムの時空変化」 現在の関東平野が広く海となり、今の関東平野の原型を作ったといえる、約12.5万年前の温暖期。 それ以降に、関東平野の地層や地形がどう形作られていったかというお話しです。 https://t.co/V7jwNO7p2e https://t.co/lX9y9ysXlI
続き。 北東ー南西方向の谷が南西側に続いていないのは何故か。 地理院地図を貼った辺りの12万年前頃の姿はをひもとくと。 地図南西部の北西〜南東方向に向かう古砂州があり、外洋側にできる砂丘列は南西側に続いていなかったと考えています。 あくまで個人の感想です。 https://t.co/V7jwNO7p2e https://t.co/OgOJb4BkyH https://t.co/2x9vLskgQ6

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