- 著者
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祖父江 友孝
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
- 雑誌
- 肺癌 (ISSN:03869628)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.7, pp.1013-1017, 2003-12-20 (Released:2011-08-10)
- 参考文献数
- 8
- 被引用文献数
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目的・方法. 検診の効果とバイアスについて, これまでの知見を整理して解説する. 結果・結論. 検診の効果については, 対象とするがんの死亡率を評価指標とするのが一般的である. 検診発見例における病期分布や生存率を症状発見例と比較することは, 一連の検診評価プロセスの中で重要な評価指標ではあるが, 種々のバイアス (self-selection bias, lead time bias, length bias, overdiagnosis bias) の影響を受ける可能性が高く, 死亡減少効果に代わりうるものではない. Overiagnosisは, バイアスとしての意義に加えて, 検診による不利益としての意義が大きくなりつつある. 死亡率減少効果の評価方法としての国際水準はランダム化比較試験 (Randomized Controlled Trial) であり, 諸外国ではRCT以外の研究デザインは証拠として軽視される傾向にある. しかし, RCTの中でも計画・実行・解析が適切にされたかの吟味が重要であり, 効果に関する証拠のまとめを作成する際には, 研究デザインだけでなく, 研究の質のチェックが手順の中に組み込まれつつある.