著者
小嶋 知幸
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.181-190, 2011-06-30 (Released:2012-07-01)
参考文献数
25
被引用文献数
2 1

聴覚的言語理解について俯瞰した。聴覚的言語理解は,意味がコードされた音 (すなわち音声) の聴取にはじまり,音にコードされた意味の解読に至るプロセスである。認知神経心理学的観点からみると,(1) 自然界から脳内への音声の取り込み (音響処理) ,(2) 音声のカテゴリー化と音韻照合 (音韻処理) ,(3) 語彙/語義処理,(4) 構文解析,(5) 談話分析の 5 段階に分けて考えることが可能である。本稿では,それぞれの処理過程について,認知神経心理学的メカニズムおよび,脳内基盤について述べた。    また,認知神経心理学的観点から言語情報処理について考える際,音節言語である英語向けに考案されたロゴジェンモデルをそのまま日本語に適用すると,いくつかの「ずれ」が生じることを指摘するとともに,モーラ言語としての特性を考慮した日本語固有のロゴジェンモデルを提案した。

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音声を音韻に「鋳型化」する話。 やたら小難しいとはいえ、一応、STはこういうことも教わるので、発達性の言語障害臨床への適正についてもまあまあベースラインが揃っているハズと思うだなあ 聴覚的言語理解の情報処理過程と障害メカニズム ―語音の処理から談話分析まで― https://t.co/GuJgTyM3s3

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