著者
横張 琴子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.314-320, 2017-09-30 (Released:2018-10-01)
参考文献数
8

脳卒中後の重い障害を残したまま訓練終了となり, その後適切な支援を得られず, 重篤な失意や抑うつ状態の生活を余儀なくされている慢性期重度失語症者とそのご家族は今なお少なくない。そうした方々への支援を目的として, グループ訓練, 自主グループ, 友の会, 作品展などを開催し, 家族を含む仲間づくり, 家庭学習, コミュニケーション活動, 書・画制作などの指導と支援を継続してきた。その中で殆ど全ての失語症者に言語を含む各種機能の改善と, 家族ともどもの心理や生活の著明な活性化が認められた。本稿では, 実施した主な支援の内容と方法, およびこれらの支援を 10 ~20 年継続した 3 症例についての経過を報告し, さらに参加家族らの手記を通し, 「回復困難」とされることの多い慢性期重度失語症者らに内蔵されている大きな再生力の存在と, それをみつけ育てる適切な長期支援の有用性を述べた。

言及状況

外部データベース (DOI)

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「超慢性期重度失語症者の生命の灯が輝き出す時」 回復困難と言われた失語症の方が、友の会や創作活動を通して、言語機能の向上・生活の活性化が見られたことについて、述べてあります。 STとして"人間の復権を支援していく"ことも職務ではないか。 響きます。 https://t.co/tfSFQ7YLsI

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