著者
加藤 徳明
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.297-303, 2020-09-30 (Released:2021-10-01)
参考文献数
18

脳疾患・脳外傷者の自動車運転再開・中止の判断には, 神経心理学的検査等の院内検査だけでなく, 運転シミュレーター, 実車教習を含めた包括的運転評価が勧められる。運転免許適性検査基準を満たしていることは大前提だが, 基準を満たしても同名半盲や半側空間無視, 重度の感覚障害の場合は個別の医学的判断が必要である。免許取り消し又は停止となる病気・病態の確認も重要であり, 認知症は免許取り消しになる。症候性てんかん, 低血糖症, 抑うつ状態, 睡眠時無呼吸症候群は症状の確認が必要である。失語症者は机上検査の解釈が難しく, Trail Making Test-A, Rey-Osterrieth の複雑図形, Tapping span, Vi sual Cancellation 図形「A」・「B」, Continuous Performance Test 等の利用が有効な可能性がある。包括的な評価で「運転適性あり」と判定すれば, 警察の安全運転相談 (全国統一相談ダイヤル : #8080) に連絡するように指導する。不安要素がある場合は「運転再開保留」とし, 3~6 ヵ月程度期間をあけて, 回復を待って再評価を実施する。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

https://t.co/DW8AvsovYW 以下抜粋 一方,見当識障害,記憶障 害,判断障害,注意障害等いわゆる高次脳機能障害 は「認知症」に係る規定に従うとされており,「その他の認知症」の運用基準に準じる対応となる。 そうなんか。法律も勉強しなきゃなんだよなぁ。

収集済み URL リスト