著者
正村 俊之
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.30, pp.1-20, 2020-01-01 (Released:2020-02-16)
参考文献数
37

情報化が新たな段階を迎えつつある今日,AIやIoTに代表される最新の情報技術が人間の自由の実現に繋がるか否かが問われている.この問題を考察するための予備的作業として,近代的自由の成り立ちについて検討する.最初に,自由論の論点を整理し,自由論の「分析論的モデル」「生命論的モデルⅠ(主客合一論)」「生命論的モデルⅡ(主客分離=結合論)」という三つのモデルを提示する.次に,古代ギリシャから西欧近代に至るまでの過程を辿りながら,近代的自由が「因果的必然性」「国家権力」「市場メカニズム」「近代法」という四つの構造的条件に支えられた「自由の生命論的モデルⅡ」として成立したことを述べる.そして最後に,従来のメディア概念を拡張したうえで,近代的自由を規定する構造的条件とメディアとの関係について言及する.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

正村俊之(2020)「近代的自由のゆくえ――AIおよびIoTの社会哲学的研究に向けて」『人間生活文化研究』(30) https://t.co/dmSuxkjizK

収集済み URL リスト