著者
影山 昌広 浜田 宏一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.J464-J470, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
11

超解像処理が「折返し成分として画像に現れている高周波成分を正しく復元する処理」であることを鑑みると,すでに拡大されたアップコンバート画像を超解像処理する際に,撮像からアップコンバート画像に至る過程における折返し成分の挙動を正確にモデル化することが重要である.しかしながら,未知の倍率で拡大されたアップコンバート画像の場合には,折返し成分の挙動を正確にモデル化することが困難であった.そこで本稿では,このモデル化に必要な「拡大前の画素数,および折返し成分の位相を決定づけるリサンプリング位相」の推定手法を提案する.画像拡大前のナイキスト周波数では,ベースバンド成分と折返し成分の信号強度が必ず一致し,複素平面上で信号が直線状に分布することを利用して,未知の倍率で拡大されたアップコンバート画像における拡大前の画素数およびリサンプリング位相を推定する.シミュレーション実験によって提案手法の有効性を示した.

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