著者
北見 翔 藤代 一成
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 39.14 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.3-6, 2015-03-07 (Released:2017-09-22)

「衣・食・住」の「衣」を構成する布の表現は,コンピュータグラフィックスの分野において多くの研究が行われており,ゲームや映画など,さまざまな映像作品に利用されている.なかでも,写実性を高める目的で布がもつしわや折り目をモデリング,あるいはシミュレートする研究が盛んである.布シミュレーション関する既存研究は,主に物理的な正確性を追求した物理ベースアプローチと,より平易なモデルを用いて「それらしい」挙動を再現する位置ベースアプローチの2種類に大別される.前者は現実の物理法則に基づいたシミュレーションが可能であるが,計算が複雑でかつパラメタ調整も煩雑である.そこで本研究は後者に着目し,位置ベース力学(Position Based Dynamics)を利用することで,位置の制約に基づいた折り目のシミュレーション手法を提案する.位置ベースアプローチは現実の物理法則には厳密に従わないものの,比較的平易なアルゴリズムと簡易なパラメタ指定で布をシミュレートできる.「それらしい結果が得られるか」「パラメタ調整が簡単か」がより重要となるゲームのようなリアルタイムアプリケーションにとって,位置ベースアプローチは適切であるといえる.

言及状況

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「布の折り目のような塑性変形した物体は、塑性変形する前の状態と比べて物性の測定が格段に難しくなる.」 位置ベース力学に基づく布の折り目シミュレーション(シミュレーション・プロジェクションマッピング,映像表現・芸術科学フォーラム2015) https://t.co/pO3WSsPN9R

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