著者
甲斐 克則
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.59-64, 1992-11-30 (Released:2017-04-27)
被引用文献数
3

安楽死や尊厳死を論じる場合、その言葉だけが先行して、結論が一人歩きしないよう注意する必要がある。そのためには、それらの概念内容を整理し、両者の共通点と相違点を明確にしたうえで、それぞれの許容性と問題性について考える必要がある。本稿では、患者の自己決定権と患者の意思を考慮しない他者決定との中間領域の中に、妥当な解決策を見出すべく考察を進める。まず、安楽死については、(1)純粋型安楽死、(2)間接的安楽死、(3)積極的安楽死、(4)消極的安楽死、に分類して考察する。とくに(3)では、日本の判例を素材として取り上げる。次に、尊厳死については、(1)患者の治療拒絶意思が明確な場合、(2)それが十分明確でない場合、(3)それが完全に不明確な場合、に分類して、アメリカの判例を参照しながら考察する。このような考察方法を通じて、さまざまな専門分野の人々が議論できる共通の基盤が作られることを期待したい。

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備忘、週末に読む https://t.co/DG6tsoYdrE
安楽死のデメリットって考えたこと無かったな… https://t.co/1diIyZz91y
これも楽しかったね https://t.co/8XYtjGLEXs
J-STAGE Articles - 法的観点からみた安楽死・尊厳死の許容性と問題性 https://t.co/RlDkFEfV3v フリーで読めちゃうじゃん読もうぜ
安楽死がおじいちゃんおばあちゃんだけのものって考えの人もいるのね。 そもそも、安楽死と尊厳死の違いは何?言葉遊びではなくて。 https://t.co/eyfUU3ofZg
@naga0115d 様々な観点があります。 この辺り簡単なので、読んで自分なりに考えてみると良いのではないでしょうか。 https://t.co/NncBFQXINw
『われわれが安楽死・尊厳死の問題を論じる際に注意しなければならないのは、 その概念内容が十分に把握されないまま、「安楽死」「尊厳死」あるい は「死ぬ権利」等の言葉だけが先行し、それが認められるか否かという一刀両断的な結論がひとり歩きすることである。』https://t.co/3u4fHOP8kK

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