著者
佐藤 真輔
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.216-224, 2014-09-26 (Released:2017-04-27)

最近、臨床での遺伝子検査にゲノム解読等が用いられる場合が増えてきたが、この手法により、本来の検査目的外の、患者の健康等に影響を及ぼす可能性のある変異が発見される可能性、すなわち偶発的所見が得られる可能性が必然的に高まっている。2013年7月、米国臨床遺伝学会(ACMG)は、臨床遺伝子検査でゲノム解読等を行う場合、特定の遺伝子の変異については患者の希望の有無にかかわらずその解析を行い、その結果を返却すべきとする旨の勧告を出した。だが、同勧告についてはその後、倫理的、法的、科学的観点等から各種の議論がなされている。本稿においては、同議論の内容について整理・分析するとともに、その経緯や周辺の状況、また我が国の状況等も踏まえ、かかる偶発的所見への対処のあり方について考察を行う。

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