著者
小川 眞里子
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.66-70, 1993-07-20 (Released:2017-04-27)

「なぜ生物は死ぬのか」という問いには、二つの局面がある。一つは老化や死の原因を問うもので、二つめは、生物が死ぬべく運命づけられている理由を問うものである。本論のねらいは、これらの疑問に生物学がどう答えてきたかを歴史的に明らかにしようとするものである。第一点については、自然死と事故死を区別してかからねばならない。古代ギリシャ時代から、自然哲学者にしろ生物学者にしろ、基本的には自然死すなわち老化過程を扱ってきており、一般に、老化過程は何ものかが失われていく過程として捉えられてきた。第二点については、ドイツのヴァイスマンが19世紀後半の進化論的考察の中から初めて明らかにしたものである。それによって、死は不可避な、忌むべきことがらではなく、外界によりよく適応するために生物が獲得した進化論的戦術と見なされることになった。

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この論文によると、「死は、二次的に獲得された適応」であり、絶対的なものではないらしい https://t.co/F8dV41HK8k たまには死を相対化して考えてみるのもいいかもしれない

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