著者
境家 史郎
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.57-72, 2013 (Released:2017-11-03)
参考文献数
7

本稿では,月例ウェブ調査の分析を通し,東日本大震災が日本人の政治的意識・行動に与えた影響について包括的に検討する。分析の結果,女性,低学歴層,低所得層において震災による社会的被害が比較的深刻に捉えられている一方,東北地方以外においてはこの「社会的被害認識」が時間とともに弱まりつつあることが示される。社会的被害認識の政治行動論的影響という面では,震災被害を深刻に受けとめている有権者ほど一般に政治に対する関心を高め,多くの個別的政策争点について意見を変化させていること,また有権者の意識上で,経済や外交面での近年の日本の置かれた多重的危機状況が震災危機と関連付けられていることを明らかにする。他方,有権者の社会的被害認識は,2012年衆院選での投票参加および投票先の選択にはほとんど影響していなかったことが示される。

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論文はこちら〜 https://t.co/2aNbNot47U 参考文献として、 小熊英二『原発を止める人びと 3・11から官邸前まで』文藝春秋 https://t.co/CL8opusb8k

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