著者
吉田 正
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.711-715, 2019 (Released:2020-04-02)
参考文献数
6

ニュートリノは基本粒子の中で最も捉えどころのない粒子である。その存在は比較的早く1930年代初頭にはほぼ受け入れられたが,存在が確証されるまでは四半世紀を要した。ニュートリノが質量を持つか否かと言う基本の基本が確定したのは更に40年後。その一方でこの謎の多い粒子は,素粒子論や天体核物理学のあらゆる局面に顔を出し,その発展の狂言回しの役割を演じて存在感を増し続けてきた。ニュートリノを遮るには鉛板にして数光年の厚さが必要だが,この物質との関わり(相互作用)が超絶的に弱いという性質が逆に原子炉運転遠隔監視への応用の道も開く。現在も謎の多いこの粒子を追って十指に余る大型実験が進行中であるが,それぞれ奇抜とも言えるユニークなアイデアが光る。

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@KabuTaro @kz_itakura ニュートリノはその実験的観測でノーベル物理学賞まで、ちゃんと出て、常識になっていて、広く知られて評価もされているのに。文系の方が書いてチェックもされたとしか考えられません。「もっと理工系の人をマスメディアに!国民運動」の代表としては(嘘です)、でも残念。https://t.co/oAkkgtcusA

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