- 著者
-
坂本 穆彦
- 出版者
- 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
- 雑誌
- 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.2, pp.104-107, 2014 (Released:2014-08-07)
- 参考文献数
- 10
日本甲状腺学会は2013年8月に「甲状腺結節取扱い診療ガイドライン2013」を刊行し,その中で穿刺吸引細胞診分類を提起した。わが国ではすでに作成当時の国際標準に準拠した甲状腺細胞診判定基準が「甲状腺癌取扱い規約」第6版(2005年)に掲載されており,このたびの日本甲状腺学会のガイドライン刊行によって,わが国にはあたかも2つの細胞診判定基準が生じたかの様な状態となった。他方,「甲状腺癌取扱い規約」は近年改訂されることになっており,ここでは2008年に米国より示されたベセスダ・システムに基づいた変更が行われる。このことは,「規約」刊行母体の日本甲状腺外科学会ではすでに機関決定されている。この様な状況をふまえ,本稿ではベセスダ・システムの概容と意義について概説する。甲状腺細胞診の判定基準が国内に複数存在するという事態は是非とも回避されねばならない。