著者
村上 裕晃 田中 和広
出版者
公益社団法人 日本地下水学会
雑誌
地下水学会誌 (ISSN:09134182)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.415-433, 2015-11-30 (Released:2016-02-01)
参考文献数
49
被引用文献数
1 3

島根県津和野地域では,塩濃度の高い鉱泉水がガスを伴い自噴している。この鉱泉水とガスについて,湧出箇所と地化学的特徴を調査した。津和野地域の鉱泉水は最大で海水の約半分程度の塩濃度を示す。自噴するガスは二酸化炭素が主成分である。これらの特徴に加え,鉱泉水の水素・酸素同位体比は天水線から外れる組成を示し,希ガス同位体比からマントル由来のヘリウムの混入が示唆される。これらの地化学的特徴と周辺の地質構造から津和野地域の高塩濃度流体の成因を考察すると,津和野地域の高塩濃度流体には地下深部から供給される流体が含まれていると考えられる。しかし,津和野地域の高塩濃度流体に深部流体が含まれているとしても,その寄与量は最大でも4分の1程度である。また,高塩濃度流体の指標となる塩化物イオンのフラックスが活断層周辺で最も高いことから,高塩濃度流体は活断層を主要な水みちとして移動していると推測される。ただし地表付近において,高塩濃度流体は活断層周辺の亀裂も利用していると考えられる。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (3 users, 3 posts, 6 favorites)

前世紀末,津和野で間欠泉が出た,というニュースがありました。 https://t.co/JpLHOr3eEs 新聞で報じられたのは,たしか3月ころ。で,7月になってから見に行ったら,こういう状況でした♪ https://t.co/Nt7YP97qKW

Wikipedia (1 pages, 1 posts, 1 contributors)

編集者: Batholith
2019-04-27 10:10:17 の編集で削除されたか、リンク先が変更された可能性があります。

収集済み URL リスト