著者
廣瀬 俊介
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.15-21, 2016 (Released:2017-08-31)
参考文献数
25
被引用文献数
2

人間が生き続けるためには持続社会を構築する必要がある.生態学的土地・資源管理は,持続社会構築の基礎条件として求められる.人間の関与を含めて生態系を総合的に研究する景観生態学は,動態である環境の確かな理解に向き,持続社会構築のために社会的装置を整備・運用・維持管理・更新することに応用できる.風土は,厳密には当地の生活者らに共有される「生活世界」観と見なせる.したがって,風土を考察する上では人文科学的研究が必要となり,そのことは主に自然科学を基盤に社会科学的検討を加えてきた景観生態学の総合環境科学的可能性を引き出す上で,重要な意義を持つと考えられる.本論では,景観生態学に風土研究を組み入れるための検討と,その先に行い得る持続社会の一部装置の実装としての生活環境のデザイン,ひいては風土形成のこれからへの関与に関して論考を試みる.

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日本景観生態学会誌『景観生態学 21(1),2016 』が8月31日にJ-STAGE上で公開。私の論文2本も掲載されています。 — 風土形成の一環となる環境デザインについて: 人文科学における研究成果の参照による風土概念検討を通して https://t.co/76ipi6NCd7

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