- 著者
-
片山 直美
- 出版者
- 日本沙漠学会
- 雑誌
- 沙漠研究 (ISSN:09176985)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.1, pp.25-29, 2022-06-30 (Released:2022-06-30)
- 参考文献数
- 10
長期間の宇宙滞在を可能にするためには宇宙における様々な生命維持に関する研究が必要である.特に食糧生産に関する研究は重要で,そのために様々な植物性ならびに動物性の栄養素が摂取できるような食材料の取捨選択,栽培ならびに飼育方法の確立が求められている.食材料を確保するうえで,宇宙空間に循環型社会(ミニ地球)を構築し,無駄のない食糧利用を考える必要がある.そのためには昆虫の食糧としての利用は不可欠である.現在地球上の食糧危機回避に関する昆虫食の果たす可能性と役割について,FAOならびにWHOから提唱された内容は,宇宙空間においても同様に役立つ内容である.そこで宇宙空間での昆虫食の可能性について概説する.