著者
加悦 美恵 井上 範江
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.3_3-3_11, 2007-09-15 (Released:2011-09-09)
被引用文献数
10 2

目的:検査を受ける患者の心身の苦痛を軽減する方法として,検査中に話しかける介入または話しかけながらタッチする介入で,患者の感じ方や気持ちに違いがあるかを明らかにすることである.方法:胃内視鏡検査を受ける入院患者43名を話しかけ群21名と話しかけタッチ群22名に振り分け介入し,気分調査票を用いて検査前と検査中の気持ちを調査し,かつ自由な感想を得た.結果:話しかけ群では検査前と検査中の気持ちに差はみられなかったが,話しかけタッチ群では,緊張や気がかりで落ち着かない気持ち(緊張と興奮),沈みがちな気持ち(抑うつ感)がやわらぎ,リラックスする気持ち(爽快感)が高まっていた(いずれもp<.05).また,両群とも看護者の介入に対し【苦痛に耐えるための心強い励まし】【身体的緊張の緩和】【精神的緊張のやわらぎと安心感】【自分に向けられた思いやり】を感じていたが,話しかけタッチ群では【親や家族がそばにいるようなぬくもりとやすらぎ】【好意に対するうれしさ】という感想が聞かれた.結論:苦痛を伴う検査を受ける患者は,看護者により話しかけられながらタッチされるほうが,より検査を楽に受けられると考えられた.

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