著者
宮崎 雅雄
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.25-33, 2016-01-25 (Released:2020-09-01)
参考文献数
28
被引用文献数
1

多くの動物は,生活環境に自分のにおいを残して縄張りを主張する.一方,自分以外の動物に残されたにおいを嗅ぎつけた動物は,におい主の種や性,年齢,個体情報を識別する.これはにおい主の情報が自身の生存や種の存続に必要不可欠だからである.例えばにおい主が敵のものであれば忌避することで自身の生存につながり,同種の異性で繁殖適期の個体であると分かれば,近隣を探すことで子孫を残すためのパートナーが見つかり,種が存続する.また動物個体から分泌されるある種の化学物質は,同種の仲間に特定の行動を誘起したり内分泌系を変化させる生理活性を有し,フェロモンと称される.においやフェロモンは自分が不在の時も生活空間に残すことが可能で自己の情報を相手に伝える媒体として利用できる.このように動物の嗅覚は,種間,異種間コミュニケーションにとても重要である.本稿では,哺乳動物のにおい,フェロモンの受容機構から筆者らが研究しているネコの嗅覚コミュニケーションについて紹介する.

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@HiraokaYasushi @Hide_Yshmr 受容体の数もヒト以外の動物では確かに多いようで、よりバリエーション(臭いの組み合わせの判別)に強そうですね。 https://t.co/9aHq5bDe2t
猫のオシッコ臭にMMBというチオール類が関与している。 https://t.co/8cElP47lYR チオール類っていったら、ホップや白ワイン葡萄で着目されるトロピカル香に関係するやつだ。 たしかに、専門的にはチオール系のアロマを良くも悪くも「キャッテイ」て表現したりするもんな。
そうでもなさそう https://t.co/K1hgqdVoaq

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