著者
濱崎 俊光 後藤 昌司
出版者
Japanese Society of Applied Statistics
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.147-163, 1999-03-10 (Released:2009-06-12)
参考文献数
34

事象数の変換または「再表現」は,データ解析者が最も頻繁に行っていることである.例えば,変換後に誤差分散の均一性を狙うのであれば,Poisson分布に従う変数の場合に平方根変換,2項分布に従う変数の場合には逆正弦変換あるいは角変換を使用することが多い.本稿では,一般的に用いられている既知の離散分布または事象数に対する変換の妥当性を, Box and Cox (1964)が提案したべキ変換の枠組みの中で評価し直した.とくに,Poisson分布に対する分散安定化のための正規化変換に注目し,変換として対数変換と平方根変換をとりあげ,それらの性能を検討した.その結果,変数がPoisson分布に従うときに分散を安定化させるための変換として,Bartlett (1949)の分散安定化公式による平方根変換が, Box and Cox (1964)のべキ変換からも支持された.そして,Poisson分布に従う変数に対数変換を施したとしても変換後の変数の分散は一定でなく,分散の安定性と分布の正規性の両方の意味で,Poisson分布に従う変換には平方根変換が対数変換に比べて適していることが示唆された.

言及状況

外部データベース (DOI)

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今は、高性能パソコンや統計ソフトが容易に利用できるので、大学でも、あまり学ばない、使わないと思いますが、2000年以前の学生時代で、よく使われたのが、平方根変換です。 例えば 1,4,9,16 というデータの正の平方根は 1,2,3,4 となり、分布の右スソを左のほうへ縮める作用があります。 それをさらに補正したのが、Freeman–Tukey変換です。 Freeman– ...

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これの2,3ページ目見て、ポアソン分布の平方根変換で分散が安定するの意味を理解できた https://t.co/xS5DTNrhTV
指数的に変化する現象については異論ないのだけれどそうでないものについて対数化の意味についての解説があまりないなあ。 Poisson分布に従う変数の対数変換の妥当性 https://t.co/1uBmParyrg

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