著者
井上 淳 吉川 周作
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.289-296, 2005-10-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
23
被引用文献数
4 4

琵琶湖西岸に分布する黒色土から採取した黒色植物片について各種分析を行い,微粒炭(高温被熱によって生成した微細な炭)であるかを検討した.その結果,黒色植物片は被熱生成した炭と同様に,反射顕微鏡下で白く輝く特徴,高い反射率,低いH/C比(水素・炭素比)が認められ,黒色植物片は植物の被熱によって生成された微粒炭であると考えられた.また,反射率やH/C比を基に推定された炭化温度から,微粒炭は林野火災や火入れなどの植物燃焼によって生成したと考えられた.土壌中の微粒炭は,AT火山ガラスの多産層位より上位から含まれ,K-Ah火山ガラスの多産層位付近で最も多く含まれていた.こうした微粒炭量の傾向は琵琶湖湖底堆積物でも認められ,琵琶湖湖底堆積物に含まれる微粒炭の発生源の1つとして,琵琶湖周辺の黒色土分布域が考えられる.

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水生植物で、実は食べられるらしい。面白い。 炭化してるように見えるのは、バーベキューで炭として使われたか、もしくはこれと関係がある? https://t.co/IL69rJBd1C

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