著者
松村 尚彦
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-17, 2010 (Released:2010-09-10)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本論文では,日本の株式市場を対象として決算発表後の株価ドリフト(Post Earnings Announcement Drift, 以後PEADと表す)と呼ばれるアノマリーを検出するともに,決算情報に対する投資家およびアナリストの期待形成が合理的であるかという点について分析を行った.その結果,日本市場においてもPEADが存在すること,それはCAPMやFama and Frenchの3ファクター・モデルでは説明できないアノマリーであること,さらにMishkin検定による実証分析によって,投資家は直近の決算情報を過小評価していることと,そしてこの過小評価を時間と共に少しずつ修正していることなどが明らかとなった.こうした検証結果は,投資家とアナリストは将来の企業業績に関する期待形成のプロセスにおいて,アンカリングと調整という行動バイアスの影響を受けており,それがPEADと関連しているという仮説と整合的なものである.

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この決算サプライズの論文から、決算手法が作れそう。 決算発表後の株価ドリフト - J-Stage https://t.co/TFipxHHNqM
昔この手の論文をちょくちょく探して読んでたんだけど最近ずっとサボってる。アップデートされてたりするのかな。 決算発表後の株価ドリフト : Foster モデルを用いた市場の期待形成に関する分析 - https://t.co/dUSK1XjNS6 業績予想、業績サプライズとバリュー株効果 - https://t.co/icjPf627ej
決算が話題になっていますが決算後の株価ドリフト現象は大事→決算発表後数ヶ月に亘りポジティブサプライズの銘柄からはプラスの異常リターンが,ネガティブサプライズの銘柄からはマイナスの異常リターンが平均して発生する現象https://t.co/Q8QYtcCZm8=悪決算後損切は早めに

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