著者
箕田 豊尚
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.62-68, 2010 (Released:2010-02-12)
参考文献数
15
被引用文献数
3 5

埼玉県の農業試験場の畑圃場において1951年から1996年まで45年にわたり同一条件で栽培されたコムギ「農林61号」の収量に対する生育期間の気象条件の影響を検討した.その結果,播種期から成熟期までの平均気温と収量は有意な負の相関関係にあり,相関係数は1%水準で有意であった.そこで,生育の全期間を出穂期までとそれ以降に分けて調べたところ,播種期から出穂期までの平均気温と収量は負の相関関係にあり,相関係数は5%水準で有意であったが,出穂期以降の平均気温は収量に影響していなかった.一方,播種期から成熟期までの降水量と収量には有意な相関はみられなかった.このうち,播種期から出穂期までの降水量と収量には有意な相関関係がみられなかったが,出穂期から成熟期までの降水量と収量は負の相関関係にあり,相関係数は5%水準で有意であった.このことから,埼玉県において,コムギ「農林61号」は,播種から出穂までの平均気温が上がるほど減収する傾向にあること及び出穂期以降の降水量が増加することにより減収する傾向にあることがわかった.

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