著者
森田 学 石村 均 石川 昭 小泉 和浩 渡邊 達夫
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.788-793, 1995-10-30 (Released:2017-10-06)
参考文献数
19
被引用文献数
15

本調査の目的は,再治療が必要とされた様々な歯科修復物について,再治療に至った原因と,それまでの使用年数を調べることである。調査は,岡山市と名古屋市の10歯科医院において行われた。対象は,歯科修復処置が施されているにもかかわらず,歯科医師の判断により,再治療または抜歯が適当と診断された3,120歯であった。調査時に,既存修復物の種類,および,再治療が必要であると判断された理由を記録した。また,その修復物の使用年数を,患者への聞き取り調査から求めた。その結果,レジン,インレー,鋳造冠,アマルガムの平均使用年数は,それぞれ5.2,5.4,7.1,そして7.4年であった。レジン,アマルガム,インレーでは,2次齲蝕を原因として再治療される場合が多く認められた。インレーや前歯部で汎用される補綴物では,脱落によって再治療される場合が多くみられた。しかも,その場合の使用年数は,他の原因で再治療された場合の使用年数と比べて短かった。従って,インレーや前歯部で汎用される補綴物については,その脱落を可及的に防ぐことで,使用年数を効果的に延ばせる可能性が示唆された。

言及状況

外部データベース (DOI)

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https://t.co/iruknfOkfD 補綴物維持管理に関連した、少し古めの文献ではこのようなものも。 装着された補綴物の大多数が、想定年数以上機能する中で、少数は早期に再製作が必要になるかもしれない。 その原資はその医療機関が装着した補綴物全体の管理料から賄う、という考えと理解しています。
@SU92632038 自費だからどうという話ではないですが、このあたりが参考になるかと。 研究によってけっこう差はありますが、4年は短い印象です。 https://t.co/P19HImzPUw
「日本における補綴物の平均生存期間①」 FMCが7.1年、ブリッジが8年という文献です ↓ J-STAGE Articles - 歯科修復物の使用年数に関する疫学調査 https://t.co/aZmj5HBEdw

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