- 著者
-
豊泉 俊大
- 出版者
- 日本生態心理学会
- 雑誌
- 生態心理学研究 (ISSN:13490443)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, no.2, pp.26-29, 2018-09-08 (Released:2020-12-01)
- 参考文献数
- 12
画像的再現をめぐるギブソンとグッドマンの論争について考えたい.論争をあつかったこれまでの論考は,ギブソンの主張をグッドマンの理論の枠組みにおいて再構成するか,論争のきっかけとなった遠近法の慣習性という特殊の話題にのみ言及するかのどちらかであった.この小論では,ギブソンとグッドマンの主張の相違を明確にし,論争が両者の立論の根本に係わっていること,論争の核心が古来の実在論,唯名論の対立へと通ずることを指摘したい.