著者
厚味 英 髙田 乃倫予 山本 信次
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.43-51, 2023 (Released:2023-11-12)
参考文献数
42

学校林に関する研究は,その設立経緯から公立学校の事例が多く,現在の活動状況に関する報告は環境教育利用を中心とした「新しい学校林」を扱った事例に偏っている。一方で学校の基本財産形成を目的として設置された「伝統的な学校林」は利用が低調である。よって本研究では,伝統的な学校林を今後有効利用していくために調査の及んでいない私立学校学校林の現状と課題を明らかにし,学校林の抱える課題や解決方法を抽出することを目的とした。調査対象は学校法人自由学園であり,調査方法は文献収集と整理,半構造化インタビューによる聞き取り調査,現地踏査である。その結果1950年の植林開始から生徒が造林・育林作業を担い現在も実施していること,学校林の木材を用いて校舎建築や木工品製作が行われていることから,森林造成から木材生産という一連の流れが学校教育に直結していることが確かめられた。こうした活動が可能な理由として,教員の長期在籍,独自のカリキュラムでの活動展開,教育理念に沿った活動展開という私立学校の特徴が関係しており,これらを参考した新たな仕組みの構築や応用が公立学校学校林の抱える問題解決する要素の一助になると考えられる。

言及状況

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PDFあり。 ⇒厚味 英, 髙田 乃倫予, 山本 信次 「私立学校学校林の現状と課題 自由学園を事例に」 『林業経済研究』69巻2号 (2023) https://t.co/kpKvVdhQGO

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