- 著者
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山口 浩和
猪俣 雄太
伊藤 崇之
- 出版者
- 日本森林学会
- 雑誌
- 日本森林学会大会発表データベース 第130回日本森林学会大会
- 巻号頁・発行日
- pp.416, 2019-05-27 (Released:2019-05-13)
ショックレスハンマーは打撃時の反動が少なく、また打撃力を効果的に伝達する特性から、クサビ打ち作業における作業者への身体的負担の低減と作業能率の向上が期待される。そこで、一般的に伐倒作業時に用いられているヨキと、ほぼ同じ長さのショックレスハンマーを用いて、クサビ打ち作業を模した打撃試験を行い、それぞれの器具の作業者への衝撃緩和効果と打ち込み効率を比較した。その結果、それぞれの道具を使って同じ仕事をした時に手元に伝わる振動加速度は、ヨキの方がショックレスハンマーよりも1.4倍程度大きく、持ち手が受ける反力は2倍程度大きかった。一方、同じ仕事をした時に加えた運動エネルギーの大きさは、ヨキの方がショックレスハンマーよりも1.7倍程度大きかった。これらの結果から、クサビ打ち込み作業において作業者がショックレスハンマーを使用することにより、腕への衝撃を和らげつつ、打ち込み回数を減少させることができる可能性があることが明らかとなった。