著者
加藤 寿美子 松生 勝
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.3-12, 1983-01-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
17

馬鈴薯澱粉の糊化過程における構造と物性の変化について検討した.糊化のさいの澱粉濃度依存性については, 1~6%懸濁液では低濃度ほど最高粘度値は小で, 最高粘度到達温度は高く, 光散乱像, 偏光十字の消失は速やかであった.加熱過程における濃度別粘度特性と偏光顕微鏡ならびに光散乱像による粒子の崩壊挙動は矛盾しなかった.加熱が急速に進行する場合は, ミセルのランダムな配向やその崩壊は緩慢な加熱より遅れて生じた.単一馬鈴薯澱粉粒の光散乱 {象は粒子の形状や内部構造を反映し, 小角度側のローブは楕円体の長軸方向に垂直に伸び, さらに高角度側に高次の強度極大を示した.これは形成核を中心に発達した同心円状の層状組織の半径方向への周期性によるものと推定される.

言及状況

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ジャガイモの十字偏光は調べると結構論文出てくるんですが、加熱等の調理の結果どういう物性の変化が起きるか?みたいな論文が多いですね。 偏光十字はデンプンの微細な配向の結果なので、それが過熱過程で崩壊していきます。 料理と顕微鏡像が結びつくのは面白いですよね。 https://t.co/h8m3boyjrm

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