著者
山本 昭子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.939-947, 1999-09-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
16

歩行に伴う足囲ボールおよび足先長の変化を定量的に把握するため, 22歳の女子3名を被験者として, 立脚期の歩行動作時の前足部を, 硬軟2種類の粘土上において, 石膏レプリカを採取する方法で検討した.結果をまとめると次のようになる.(1) 足囲ボールは, 歩行時, 軟粘土上ではほとんど変化しないが, 硬粘土上では, 蹴り出し時の爪先離地直前に, 片足直立時より2.7% (6.4mm) 減少する.立位静止時の足囲ボールに対しては約2.1% (5mm) の減少となる.硬粘土上での減少率を通常の歩行時のものと考えると, それらの変化量の把握は, 靴型の足囲寸法設計のための情報として有用である.(2) 足先長の足底側寸法は, 蹴り出し時の爪先離地直前に, 硬粘土上では, 片足直立時より13.4% (9.5mm), 軟粘土上では9.6% (6.9mm) 増加する.また, 足背側寸法は, 硬粘土上・軟粘土上共に約21~23% (13.5~15mm) 減少する.硬粘土上での足底側足先寸法の増加量 (9.5mm) は, 立位静止時の足長寸法の約4%に相当する.それらの変化量の把握は, 靴型の爪先余裕長の設計のための情報として有用である.

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