著者
上野 智子 山本 昭子 島田 直子 和佐野 仁代
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.369-378, 2005-06-15

Concerning the consciousness of body shape of Japanese students in the Kyushu area, an investigation was made on 598 males and 557 females ranging in age from 18 to 29 from the viewpoint of differences between the sexes. The results were as follows: 1) The degree of satisfaction with their own body proportions is lower in females than in males. The principal body parts with which over 50% of subjects are dissatisfied are body height, upper limb girth and bust girth in males, and all the body parts in females. 2) Males and females differ on what constitutes the ideal female body shape. Females desire leaner bodies than males desire for them. 3) According to correlation analysis, the regression lines of the ideal body weight to ideal height show a bias toward leanness in females, while the regression line for males is centrally situated in the normal range based on BMI.
著者
山本 昭子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.939-947, 1999-09-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
16

歩行に伴う足囲ボールおよび足先長の変化を定量的に把握するため, 22歳の女子3名を被験者として, 立脚期の歩行動作時の前足部を, 硬軟2種類の粘土上において, 石膏レプリカを採取する方法で検討した.結果をまとめると次のようになる.(1) 足囲ボールは, 歩行時, 軟粘土上ではほとんど変化しないが, 硬粘土上では, 蹴り出し時の爪先離地直前に, 片足直立時より2.7% (6.4mm) 減少する.立位静止時の足囲ボールに対しては約2.1% (5mm) の減少となる.硬粘土上での減少率を通常の歩行時のものと考えると, それらの変化量の把握は, 靴型の足囲寸法設計のための情報として有用である.(2) 足先長の足底側寸法は, 蹴り出し時の爪先離地直前に, 硬粘土上では, 片足直立時より13.4% (9.5mm), 軟粘土上では9.6% (6.9mm) 増加する.また, 足背側寸法は, 硬粘土上・軟粘土上共に約21~23% (13.5~15mm) 減少する.硬粘土上での足底側足先寸法の増加量 (9.5mm) は, 立位静止時の足長寸法の約4%に相当する.それらの変化量の把握は, 靴型の爪先余裕長の設計のための情報として有用である.
著者
山本 昭子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.31, no.12, pp.579-584, 1990-12-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
7

女子学生 (18~23歳) 204名と, 女子高年層 (60~90歳) 218名について, 足部計測と併せて, 履物の着用実態と足の障害に関する調査を行なったが, 次の様な結果を得た.1) 日常最も着用頻度の高い履物は, 若年層では, 低ヒール革靴が68.1%, 中ヒール革靴が20.1%で両者で90%近くを占めるが, 高年層では, 低ヒール革靴が36.2%, 突掛け24.8%, 草履・下駄17.4%, 中ヒール革靴11.5%とバラエティーに富んでいる.2) 自称靴サイズと実測足長との差を実測足長あるいは実測足囲毎に分析すると, それらの差は, 足長の小さい者ほど大きく, また, 足長235mm以下では, 足囲の大きい者ほど大きい傾向がみられる.以上の傾向は若年層, 高年層共にみられるが, 全体に高年層の方がその差が大きい.それらのことから, (1) 足長が小さいか, あるいは大きい者は, それらのサイズが充分でないため, 実寸法より大きいかあるいは小さいサイズの靴を選択している. (2) 足長サイズ235mm迄のものは, 足長に合った靴を選ぶと, 靴の足囲サイズが小さすぎるため, 足長よりむしろ足囲サイズに適合する大きめの靴を選ぶ.しかし, 足長の大きいものは, 足囲の大小にかかわらずサイズが不足しているたあ, やむをえず小さめの靴を選択している. (3) 高年層は若年層に比べ足長が小さく幅広の足型傾向にあるため, 足長サイズは比較的充たされているが, 足囲サイズが不足しているため, 足囲に合わせて一層大きあのサイズを選んでいる.等のことが類推される.3) 靴に対して不満の有る者は, 若年層が86.3%, 高年層が64.2%であり, 不満の内容は, 靴幅および爪先が狭すぎる, が若年層, 高年層共に最も多く, 両者を平均すると83.5%になる.4) 靴着用による足傷のある者は若年層が75%, 高年層が47.2%であり, 足傷の最も出来やすい部位は, 中足骨頭部外側, 足裏趾付根部付近, 踵部, 趾表面, 趾裏面等である.5) 母趾角 (第1趾側角度) による趾の変形の度合は, 総合的には高年層より若年層の方が進んでいるが, 高年層の方は個人差が大きく, 変形が低度の者が多い反面, 外反母趾等高度の変形足も一部みうけられる.最後に, 今回の調査にご協力頂いた福岡市老人福祉センター東香園・長生園・舞鶴園の職員及び関係者各位に厚く御礼申し上げます.なお, この資料は, 本学被服構成学研究室の桜木真理, 東嶋朋美, 下川真由美, 金丸彰代諸嬢の卒業研究の一部を補足し, まとあたものである.
著者
山本 昭子 山田 いずみ
出版者
福岡女子大学
雑誌
生活科學 (ISSN:05593042)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.167-188, 1982-01-30

Sashiko can be divided into the original stage Sashiko and the developmental stage Sashiko by stages. In the first stage, Sashiko was used mainly for the purpose of reinforcement, keeping warmth and waterproof. In the Second stage, Sashiko was used for ornament rather than the material faculties in the first stage mentioned above. Generally Sashiko refers to the second stage Sashiko in a narrow sense. The unique Sashiko in the Northeastean provinces of Japan is distributed mainly into next six areas.
著者
山本 昭子 西山 直宏 吉田 浩介 山根 雅之 石川 百合子 三浦 千明
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1-10, 2010 (Released:2010-01-10)
参考文献数
58
被引用文献数
3 12

Linear alkylbenzene sulfonate (LAS) is an anionic surfactant widely used in laundry detergents. The environmental safety of LAS has been extensively reviewed in various chemical safety assessment programs worldwide. In this paper, we report an LAS aquatic environmental risk assessment of Japanese rivers using a high-tier assessment approach. For the exposure assessment, river water monitoring data of more than 400 samples were used to determine predicted environmental concentrations (PECs) which were then verified with the AIST-SHANEL exposure model. For the effect assessment, a statistical extrapolation approach using chronic ecotoxicity data was used. Toxicity data were normalized to the average alkyl chains found in the environment (C11.3) and to that of commercial LAS average alkyl chains in Japan (C11.8). Mesocosm data were also normalized to determine the predicted no-effect concentration (PNEC) in the environment. The 95th percentile PECs for detected concentrations in Japanese rivers were 32 to 45 μg/L, and the PNECs were 270 (C12) to 530 (C11.3) μg/L based on mesocosm data with an assessment factor of 1 and supported by data from the statistical extrapolation approach. The PEC was about 10 times lower than the PNEC. From the result of the risk characterization, it was concluded that the aquatic environmental risk posed by LAS in Japan is low.
著者
森田 健 大中 忠勝 上野 智子 山本 昭子
出版者
福岡女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

ヒトの生体機能が季節により変動することはよく知られているが、原因がはっきりしている例は少ない。また、生体リズムの季節変動についても報告が少ない。季節により生体リズムが変化する機序としては、日長の変化によるリズム同調の変化が考えられる。このことから本研究では、緯度が異なる3地域(高・中・低緯度)及び季節(春・夏・秋・冬)において人々が日常生活の中で受ける光の量及び質の違いを把握し、ヒトはその環境にどのように適応しているのかという環境適応能の観点から分析を行った。その結果、自然の光環境が気候や季節及び緯度により大きく異なることが明らかになった一方、被験者の受光量や活動量は季節や緯度との関係性は低く、むしろ個人の生活スタイルや過ごす場所に依存している可能性も示唆された。しかし生体リズムの指標となるメラトニンリズムには、季節変動及び地域差における特徴が明確に表れた。特に中緯度:日本の秋において、高いメラトニン分泌量及び位相後退の特異的季節変動が認められたが、これが外部の光刺激変化によるのか、また冬に備える内分泌機能の働きによるものなのなど、その原因を明確にすることはできなかった。本研究における調査は、フィールド調査であり、生体リズムに影響する様々な因子の厳密な制御は行っていない。しかし、日常生活における実際の光環境下で確認した本成果は、今後の光環境計画を考える上での基礎的知見を提供するものと考えている。