著者
中村 恵子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.351-356, 2003-05-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
19

電子レンジ調理におけるNaCl添加の影響を明らかにするために, 液体モデル試料を用いて, 加熱実験を行った.エネルギーの吸収効率に及ぼすNaCl濃度および試料体積の影響を検討したところ, NaCl濃度が高いほど吸収効率は小さくなったが, 1%程度であれば無添加試料とほぼ等しいと考えても差し支えなかった.温度および水分蒸発量を測定した結果, 沸点以下において, NaCl添加試料の平均温度は無添加試料より低いにも拘わらず, 水分蒸発量は多かった.これは, NaCl添加試料の周辺部近傍で高温となった液体が対流によって移動し, 上部が高温となったことが原因であると推察した.NaCl添加試料においては, 昇温過程において蒸発の潜熱として用いられるエネルギーの割合が水より高いため, 加熱効率は悪かった.

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@burabura_117 それっぽい論文あった。 https://t.co/JJD33INMDc
ドンピシャな論文みつけた!!なんと食塩水の方が暖まりにくいらしい。 食塩の添加で確かに誘電損失が大きくなるが、マイクロ波の侵入深さが浅くなるので局所的な加熱が起こり、全体の加熱よりも水分の蒸発にエネルギーが使われてしまうかららしい。すごくない????????https://t.co/lt10DGKTHw

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