著者
小川 佳伸
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.98, no.1, pp.90-101,193, 1995-01-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
27
被引用文献数
1

喉頭室原発の癌の発生母地を解明するために肉眼的に喉頭室に病変を認めない22個のヒト摘出喉頭を用いて臨床病理学的な検討を行い以下の結果を得た. 1) 喉頭室のコンピュータグラフィッタス化を行いその複雑な形状を示した. 2) 著者分類の「浅陥凹型」部分は, 喉頭室の中でも特に扁平上皮化生が強く進み, 発癌の準備段階として重要であると思われた. 3) 「浅陥凹型」部分は喉頭室の前後に分布していた. これは喉頭室原発の癌の臨床的な好発部位とよく一致しており, 喉頭室原発の癌の発生母地として重要であると思われた. 4) 喉頭室粘膜上皮も症例によっては, かなりの範囲で扁平上皮化生が起こり, 喫煙や飲酒の影響で高度に進行することも示された.

言及状況

外部データベース (DOI)

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ヒト喉頭室の扁平上皮化生に関する臨床病理学的研究 ―喉頭室における発癌母地としての評価― https://t.co/ygJVXeOvgS “喉頭室は複雑な形態”“「浅陥凹型」,「線型」,「馬蹄型」,「分岐型」,「分離型」の5型 に分類” https://t.co/BikQxGeyRd

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