著者
大坂 利文
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.125-136, 2018 (Released:2018-07-30)
参考文献数
130

Alexander Flemingがペニシリンを発見して以降,微生物が産生するほかの微生物の生育を阻害する物質「抗生物質」の発見と改良の歴史が積み重ねられてきた.現在までに,コッホの4原則にしたがって発見されてきた多くの病原性細菌に対して感受性を示す抗生物質が見出され,抗生物質はヒトや動物の生命を脅かす感染症の治療に不可欠なものとなっている.一方,近年増加の一途を辿っているアレルギー性疾患,炎症性腸疾患,自己免疫性疾患,非感染性疾患(がん・循環器疾患・糖尿病・慢性呼吸器疾患)などの慢性炎症疾患の発症予防および根治が医学の大きな課題となってきた.このようななか,腸内細菌叢が生体機能調節因子として非常に重要な役割を担うことや,多くの難治性疾患の動物モデルやヒト患者において腸内細菌叢のバランス異常(dysbiosis)が起こっていることが報告されている.本稿では,抗生物質の投与によって病態の改善あるいは増悪化が報告されているdysbiosis関連疾患についての最新の知見を概説する.

言及状況

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もちろん耐性菌の問題が一番大きいですが、どうしても自分だけは広域抗菌剤使って早く治りたいと考えちゃうのが人の性。 むしろ腸内細菌への影響で被る個人へのデメリットもかなり大きいことを医者も患者も認識したほうが、適正使用につながる気がします。 https://t.co/3HZhUSjq8y https://t.co/UAqKQL6p1Y
ここなんですよね、多くの医者もこれを否定できないからつい出しちゃう。私も昔は抗生剤出す頻度が高かったですが、その頃に比べると明らかに皆さん治りが早いです。特に最近流行りの腸内細菌への影響はとても多岐に渡り、この論文読んだら怖くて抗生剤使えないですよ。https://t.co/3HZhUSjq8y https://t.co/LsyV0YWMm8
https://t.co/UevL06Pg3c 眠いので起きてから読む自分用
抗生物質って打ちすぎもアレかなと自分の家の数匹の猫を見ていて思う。 この論文は、特定の細菌に対しての抗生物質でマウスの体質が変わったように読めた。ただ、専門家でないので、読み間違えている可能性もある。 [PDF]抗生物質による腸内細菌叢の変化と生体影響 - J-STAGE https://t.co/51ogMw0Fpb
しょーもない人が引用してる論文はこの辺でしょ? 右段上方のそれ PD法よりND値低い検出法探した方がお金もらえるぞ https://t.co/rxU5hwOiH4 #なんかみた https://t.co/d63UxxbFv4
J-STAGE Articles - 抗生物質による腸内細菌叢の変化と生体影響 https://t.co/bVUijn6Ttp
「抗生物質による腸内細菌叢の変化と生体影響」 https://t.co/4sOHDSWDbS
この論文読みたい。 大坂利文「抗生物質による腸内細菌叢の変化と生体影響」『腸内細菌学雑誌 』(2018)https://t.co/wJzDkdRdQf

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