著者
林 美帆
出版者
学校法人 自由学園最高学部
雑誌
生活大学研究 (ISSN:21896933)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-19, 2017 (Released:2017-12-21)

日本近代女性史の中で大きく取り上げられる、与謝野晶子と平塚らいてうが中心となって行われた大正期の母性保護論争は、女性が母となることで国家から金銭的援助を得ることの可否を問うものであった。羽仁もと子はこの論争に直接的には関わらず、どちらかの主張を指示する言説は発表していない。しかしながら、羽仁は家計簿をはじめとした家庭論や職業論など、独自の視点を『婦人之友』誌上で展開し、多くの女性の支持を集めていた。本稿では、与謝野と平塚の母性保護論争における主張を整理し、羽仁の家庭論および職業論と対比することで、同時代の女性がおかれている状況を明らかにする。その上、二人と羽仁との共通点および差異を考察し、羽仁が示した解決策の一つが「女性の組織化」であったことを論じる。

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@inuinuinu881 もし貞操論争時に「そもそも他人の操や生き方に文句を言う権利は誰にも無いのではないか。」が共有化されたら、戦後の福祉政策もだいぶ変わってたかもしれないんですよ。 羽仁もと子と母性保護論争 ―与謝野晶子と平塚らいてうとの接点― https://t.co/B5vnU9qBQF
J-STAGE Articles - 羽仁もと子と母性保護論争 https://t.co/Rzql3w4Rj6 「戦前の母性保護論争が『フェミニズム的視点』からであって『子供の幸せ』でなかったのが全ての元凶」という事でしょう。 ひとり親に「交際相手は週何回宿泊?」 児童扶養手当で:朝日新聞デジタル https://t.co/6FoeKZZe6u
平塚らいてうからの引用にあてっては部分的に林美帆さんのこちらの論考を利用させて頂いた。https://t.co/oK55p2kjT2また明治時代の歌壇における論争をめぐっては角川書店から出版された篠弘『近代短歌論争史 明治大正編』が刺激的な名著である。明治時代の論壇については筑摩書房の明治文学全集を参照

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