著者
寒川 一成
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.101-106, 1970-06-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
18
被引用文献数
19 22

窒素欠乏の稲と正常な稲でのトビイロウンカ雌成虫の吸汁習性を比較し,下記の結果を得た。1)ウンカは窒素欠乏水稲に対して非嗜好性を示した。2)ウンカが窒素欠乏水稲を吸汁する際の甘露排泄は非常に少量であった。3)窒素欠乏水稲でのウンカの口針挿入頻度は,正常稲での場合にくらべかえって高かったが,同時に無効な口針挿入の割合がやや増加する傾向も認められた。これらの結果のうち,窒素欠乏水稲での甘露分泌量の減少が,同稲上でのウンカの吸汁率の低下を反映した事実として重視し,その原因と窒素欠乏水稲でのウンカの増殖率の低下との関連性について予備的な考察を行なった。

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@7L33cmed7Whk3zT @soilchemooon 窒素の多寡が害虫与える影響をよく調べられたのは水稲のニカメイガとウンカで、ニカメイガは石井象二郎さん(https://t.co/y6oSZ0zkWO)、ウンカは寒川さん(https://t.co/HWIhWOTIMy)による一連の研究です ウンカは糖が豊富で窒素が取りづらい篩管液を吸うため影響もクリティカルです

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