著者
藤原 正仁
出版者
日本アニメーション学会
雑誌
アニメーション研究 (ISSN:1347300X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.15-32, 2016-09-07 (Released:2023-02-18)
参考文献数
76

本研究の目的は、今 敏のライフストーリーの観点から、今 敏監督の人間像、今 敏監督作品の創造過程、そして、今 敏監督と今 敏監督作品との連関について明らかにすることである。本研究では、アニメーション作品、絵コンテ、日記、ブログ、ウェブサイト、エッセイ、音声解説、記事などの資料調査に基づく質的研究の方法論を採用した。その結果、今 敏は、仕事と仲間とともに、アニメーション監督という職業を通して、アイデンティティを確立させながら、自らを表現しようとしていることが明らかにされた。今 敏監督は、絵を描くことによって、想像力を拡張し、創造性に富んだ新しいアニメーションの表現に挑戦し続けた。彼のアイディアは、現実と対峙し、予期しない出来事や偶然の出会いが源泉となっている。とくに、平沢進の音楽と筒井康隆の小説の影響を受けており、これらの世界観は、今 敏監督のアニメーション作品に活かされている。さらに、今 敏監督は、日常生活の中での想像力を作品に反映している。本研究の結論として、今 敏は、自らの人生の意味を探求しながら、アニメーション作品の中に、彼自身の人生のテーマを表現し続けたことが明らかにされた。

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今敏監督に関する研究論文面白いなー 作品に通底するメタ的な入れ子構造の源流、平沢進からの影響についての詳細な情報含め本当に参考になる https://t.co/i0J4vXQI28
https://t.co/v40bKbhDKn (おへそではないけれども。キーワードのひとつに「平沢進」) 藤原正仁(2016)「今敏のつながり合う創造的世界 : 自己探求の連鎖」『アニメーション研究』18(1), pp.15-32

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