- 著者
-
藤原 正仁
- 出版者
- NPO法人 日本シミュレーション&ゲーミング学会
- 雑誌
- シミュレーション&ゲーミング (ISSN:13451499)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.1, pp.2-11, 2018-11-30 (Released:2019-06-17)
- 参考文献数
- 17
本稿では,台湾のゲームレーティングについて紹介し,他国・地域のレーティングシステムと比較しながら,その特徴を整理した.2011年,「デジタルゲームレーティング委員会」が発足し,ゲームのコンテンツに対して,業界団体や学者,保護者団体など,さまざまな意見が反映されるようになった.2012年,「コンピュータソフトウェアレーティング規制」から「ゲームソフトウェアレーティング管理規制」へ修整され,普遍級,保護級,輔導級,限制級の4区分から,普遍級,保護級,輔12級,輔15級,限制級の5区分に変更された.台湾のゲームレーティングでは,遊技測試員がゲームを実際にプレイして審査書類が作成されている.また,「ゲームソフト評価基準表」は,年齢別レーティングの根拠となる性,暴力と恐怖,麻薬,タバコとアルコール,不適切な言葉,恋愛,反社会性という項目について明文化され,Webサイトで公開されており,透明性と客観性がある程度担保されている.審査員は,学者,有識者,保護者団体,教師団体などのメンバーで構成されており,ゲーム業界と利害関係のない独立した組織として機能している.