- 著者
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大河内 浩人
- 出版者
- 一般社団法人 日本行動分析学会
- 雑誌
- 行動分析学研究 (ISSN:09138013)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, no.2, pp.118-129, 1997-03-20 (Released:2017-06-28)
17名の大学生を、最少教示-標準FI群、最少教示-修正FI群、正教示-標準FI群、正教示-修正FI群の4群のいずれかにランダムにふりわけ、多元定比率低反応率分化強化(mult FRDRL)スケジュールの後に多元定間隔定間隔強化(mult FIFI)スケジュールを行った。最少教示条件の被験者には反応率に関する教示をしなかった。正教示条件の被験者には、FR成分のときにすばやく反応する、DRL成分のときに間隔をあけて反応するように教示した。標準F1条件の被験者には、mult FIFIで、一定量の強化子を与えたのに対し、修正F1条件の被験者には、インタバル中に自発された反応数に応じて強化量を変えた。Mult FR DRLでは、全被験者がFR成分で高率、DRL成分で低率の反応を示した。最少教示-標準FI群の4名中3名のmult FIFIでは、かつてFRスケジュールと相関のあった刺激下での反応率がDRLと相関のあった刺激下でのそれよりも高かった。このような履歴効果の刺激性制御は、最少教示条件より正教示条件で顕著だった。教示の効果は、反応量と強化量の相関の影響を受けなかった。教示性制御に影響すると考えられる変数について論じた。