著者
高橋 史 大塚 明子 熊野 宏昭
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.23-33, 2012-01-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
3

本研究は、嚥下失敗を含む身体的症状および窒息恐怖を示す40代男性に対して、内潜的な認知的反応と嚥下の反応連鎖に関する行動分析に基づいて介入を行うことで改善をみた症例の報告である。行動分析の結果、本症例では、口腔内の食塊と窒息に関する認知的反応が同時に提示されることで嚥下失敗が生じ、嚥下失敗が回避行動を強化する結果事象となっている可能性が考えられた。そこで、嚥下中の認知的反応の妨害と、嚥下に伴う身体感覚の単独提示を行った。具体的な治療手続きとしては、飲食物を口に含んでから飲み込みがすむまでの身体感覚を言語的に記述し続けることで、「死ぬかもしれない」といった認知的反応の抑止を行った。介入の結果、症状の軽減が認められ、介入効果は1カ月後および3カ月後のフォローアップ期においても維持されていた。

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【掲載論文】高橋 史, 大塚 明子, 熊野 宏昭, 行動分析に基づく認知的反応への介入が奏功した窒息恐怖の症例, 行動療法研究, 2012, 38 巻, 1 号, p. 23-33 https://t.co/wsvYXFg8Rb
【掲載論文】高橋 史, 大塚 明子, 熊野 宏昭, 行動分析に基づく認知的反応への介入が奏功した窒息恐怖の症例, 行動療法研究, 2012, 38 巻, 1 号, p. 23-33 https://t.co/wsvYXFg8Rb

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