著者
木下 奈緒子 大月 友 武藤 崇
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.105-116, 2012-05-31 (Released:2019-04-06)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究の目的は、複数の範例を用いた分化強化の手続きが、刺激の物理的特徴にもとづく刺激機能の変換に対する文脈制御に与える影響を検討することであった。12名の大学生を対象として、3つのメンバーからなる3種類の等価クラスを形成した。各等価クラスには、異なる物理的特徴(線形、円形、三角形)を有する図形が含まれた。そして、複数の範例を用いて、特定の物理的特徴をもつ刺激のもとで、刺激機能の変換にもとづく反応を分化強化した。その結果、分析対象となった9名の実験参加者に、刺激の物理的特徴にもとづく刺激機能の変換に対する文脈制御が示された。その後、新奇刺激を用いて新たな3つのメンバーからなる3種類の等価クラスを形成した。その結果、9名中7名の実験参加者に文脈制御の般化が確認された。本研究の結果を脱フュージョンの作用機序の観点から考察し、当該領域において、今後どのような基礎研究が必要とされるかを検討した。

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【掲載論文】木下 奈緒子, 大月 友, 武藤 崇, 脱フュージョンの作用機序の解明に関する基礎研究 : 刺激の物理的特徴にもとづく刺激機能の変換に対する文脈制御の効果, 行動療法研究, 2012, 38 巻, 2 号, p. 105-116 https://t.co/ZrCBSb0VOG

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